第2回笠間気まぐれ散歩,今回は
「第6回オープン・アトリエ 陶の里」を
紹介いたします。
毎年,9月20日から9月23日の5日間,笠間市手越地区にある工房が公開されています。
今回は,2つの工房をおじゃましました。
「風の窯」の新井倫彦さんの工房では,ガス窯や乾燥室,ロクロ場まで拝見させていただきました。
こんなに大きなガス窯ですが,新井さんは「ひとりで制作しているので大きくない方ですよ」と
おっしゃっていましたが,湯呑みだったら,800個から1,000個は焼くことができるとか。
今回は,乾燥室にもティーポットやフリーカップ,花器などがたくさん展示されていました。
粉引や三島手を中心に,辰砂釉などの素敵な作品が至るところにと並べられていました。
新井さんは,鹿児島県の工業試験場で窯業の勉強をされていたこともあってか,九州の
産地の作風に通じるところが。
いずれの作品も食や花が持つ魅力を引き立ててくれる,そんな素敵な作品ですので,皆さんにも
ぜひご覧いただきたいです。
「陶の里」と呼ばれる地域だけに陶芸だけかと思いきや,
八十島海人さんは石から匠みに芸術を
創造する石彫家です。
地元には石工職人はたくさんいますが,こんな石彫家がいるとはちょっとびっくりしました。
こちらの作品は,とある展覧会で賞をいただいたもののちっちゃくしたものとのこと。
それでは,受賞作品はどこにあるのですかとうかがったところ,
「笠間日動美術館の佐白山麓公園側入口に展示してあります」とのこと。
このアンジュレーションに規則正しく鑿を打つ作業は,相当な根気と集中力を要するなと感心して
しまいます。
作品は黒のみかげ石をつかった作品が多かったので,理由をうかがうと「黒みかげ石独特の陰影が
つけられるので」とおっしゃっていました。
また,「年月を経るとともに,作品の苔が生すとかの変化がもたらされるのも石の彫刻の魅力の1つ」と。
素材である石は,地元の稲田などで調達しているとのこと。
笠間焼に,みかげ石と笠間の地域資源が有する潜在的な魅力とか,可能性とかって改めて大きいなぁと
感じた秋の1日でした。
それでは,今回はこの辺で。